*現地調査−−−2
・表札、郵便物、新聞の確認
競売物件の建物の表札の氏名が、現況調査報告書に書かれていた占有者(所有者)の氏名と一致するか、相違するか。
相違する場合は、立退き料目当てに不法に占有していることが考えられる。
いずれにしても占有者に会って話を聞く。相手の感情を害しないように配慮する。このことにより大体のことがわかってくる。
占有者に会うことに抵抗を感じるものですが、少しでもリスク負担を軽くするための必須条件です。
・空き家になっている場合
窓から見えるようであれば家具類を確認する。近所で話を聞く。引越しをしたのか、いつ引越しをしたのか、所有者以外の人が出入りしていなかったか等。
*簡易鑑定評価
不動産鑑定士による鑑定評価の方式には、原価方式、比較方式、収益方式の3方式がある。
競売物件の評価を理論的にやっておればきりがない。そこで建物については原価方式、土地については比較方式(取引事例比較法)とし、できるだけ簡単にやろうというわけである。
建物は現在新築した場合の平方メートル単価x延べ面積x経過年数/耐用年数
木造新築平方メートル単価17万円
経過年数 10年
木造耐用年数 20年
延べ面積 100平方メートル
土地面積 100平方メートル
建物 17万X100x10年/20年=850万円
土地 近くの売買事例、折込広告などから判断して
1平方メートル17万円とする
17x100=1700万円
土地建物合計 850+1700=2550万円
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・耐用年数想定 木造 20年〜30年
軽量鉄骨造 25年〜35年
鉄骨造 30年〜40年
鉄筋コンクリート造 35年〜45年
耐用年数は、普段の手入れにより大きく違ってきます。この数値はあくまでも目安です。厳しい数値です。
・土地の単価 国土交通省の地価公示価格等は下記サイトを参考にしてください。あくまでも参考です。実勢価格ではありません。
*入札価格
競売物件の売却基準価格はどのように決められているか、評価書を見ていきましょう。
鑑定評価は理論どおりきっちりと進められていき、最後に「競売市場が持つ特殊性などを考慮した市場修正率マイナス○○パーセントとして、競売市場修正を行ないます。」として計算されています。
この修正率がマイナス45パーセントとすると、鑑定評価で出てきた額の45パーセント引きとなるわけです。つまり鑑定評価の額の55パーセントが売却基準価格となるわけです。
この数字を見る限り競売物件は45パーセントも安いのか、半分に近い、これは安いと考えてしまう。
占有者に対する立退き料支払いがあります。普通の住宅の場合30万〜100万円といわれています。
占有者が立ち退かない場合は、強制執行費用として100万〜200万円くらい必要といわれています。
裁判にでもなってくれば、かなりの費用になってきます。
こういう大きなリスクを抱え入札に臨むわけです。
こういう計算をしていくと普通住宅の場合で売却基準価格の30パーセント増し、つまり3割増し程度の額が精一杯の入札価格になってくるわけです。
入札専門業者(代行業者)は、その辺がわかっているためぎりぎりのところで鎬(しのぎ)を削ることになります。
1円、2円の端数まで出てくるんです。この1円、2円が勝敗を決する鍵となることさえあります。1円でも高いほうに落札されます。
*占有者が退去しないとき
競売物件の買受け人は、明渡し猶予期間が認められない占有者については、残代金を裁判所に納付した日から6か月以内に、引渡命令の申し立て(占有者を退去させる命令)ができます。
競売物件の買受け人は、明渡し猶予期間が認められる占有者については、残代金を裁判所に納付した日から6か月間は引渡命令の申し立て(占有者を退去させる命令)はできませんが、その期間経過後は引渡命令の申し立て ができます。ただし残代金を裁判所に納付した日から9か月を経過したときは、できなくなります。要注意です。
申し立てをうけた裁判所は、要件を備えていると認めた場合は競売不動産を引き渡すべき旨の決定をします。
引渡命令が相手方に送達され、相手方から執行抗告(不服申し立て)がなければ1週間で確定し、強制執行ができる効力が発生します。
実際に、明け渡しの強制執行をする場合には、裁判所に対する手数料のほか、執行官に対し必要な費用(家具などの運搬費用、人件費、倉庫費用、執行官手数料等)を前もって収めなければなりません。
*明け渡し交渉
買受け人は、残代金を裁判所に納付した日から6か月以内に、引渡命令の申し立て(占有者を退去させる命令)ができます。
6か月を経過した場合は申し立てはできません。引渡し、または明渡し訴訟をしなければなりません。少しやっかいになります。
申し立てはきわめて簡単です。費用もほんのわずかです。
交渉に入る前に、申し立てをしておくほうが安心だし、占有者にある程度圧力をかける意味でもやっておくべきだという意見もあります。
*明渡し交渉成立
・競売物件の明渡し交渉が成立した場合、必ず下記のような約定書を取りかわしましょう。(双方実印、印鑑証明書つき)
・裁判所に残金を支払った段階で、所有権が競売物件の買受人に移転します。この時点で火災保険にはいっておきましょう。
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約 定 書 (参考例)
前所有者、占有者XXXX(以下甲という)および所有者XXXX(以下乙という)は、本日下記のとおり約定したので、これを証するため本書2通を作成し、各自1通ずつ所持するものとする。
記
1.甲は平成XX年XX月XX日までに下記物件を乙に引き渡す。
2.引渡しは、甲乙双方立ち会いのうえ、建物の内外を点検し、乙が異存なければ、立退料として金XXX万円を甲に支払う。甲はカギ等を乙に渡し、物件の引渡しを完了する。
3.万一、上記期限内に甲が物件を引き渡すことができないときは甲は立退料の請求権を放棄するとともに、物件内にある動産類一切の所有権を放棄し、乙に処分されても、甲はなんら異議ないものとする。
この場合、処分に要する費用は甲の負担とし、処分に要する日数についは、甲は乙に対し1日当たりX万円の割合の損害金を支払うものとする。
4.甲は乙に対し、下記物件を引き渡したにもかかわらず、乙が立退料の支払いを遅延したときは、乙は甲に対し1日当たりX万円の割合の損害金を支払うものとする。
5.甲は、乙に下記物件を引き渡すまでの間、甲が故意に建物等に損害を与えたときは、甲は乙に対し賠償しなければならない。
物件の表示
1.
XX市XX町123番12
宅地 XXX.XX平方メートル
2.
同所123番地12 家屋番号123番12
居宅 木造瓦葺2階建 1階 XX.XX平方メートル
2階
XX.XX平方メートル
平成 年 月 日
前所有者 住所
甲 占有者 氏名
住所
乙 所有者 氏名
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*競売代行業者(専門業者)
競売はリスクが大きい。
安全な方法−−占有者が所有者(債務者)である物件をねらって落札できたとしても、現地に行ってみると別人が占有していた。
裁判所が調査の時点では所有者が占有していたんだが、その後別人が占有していた。こんなケースもあります。
この別人が曲者である。相手がしろうとだと判断すると、法外な立退き料を要求してくる。もちろん強制執行の対象になるわけだが、そこはしろうと、対応しきれない。
こんな目にあうのはいやという人には、競売代行業者(専門業者)がいる。
代行業者は、専門にやっているので経験が豊富である。最初から訴訟になる可能性のある物件は引き受けない。このような業者に頼めば、リスクは非常に小さくなります。しかし手数料はかさみます。
・A業者
落札まで−−−−−−−−−落札価格の3%+6万円
落札以後−−−−−−−−−同額
・B業者
落札、落札以後すべて−−−落札価格の3%+6万円
・C業者
C業者の名前で落札、登記完了後依頼者に所有権移転登記する。
落札価格の3%+6万円
一度業者名にするためそれに要する登録免許税等の費用。
どの業者も、最低手数料額を決めているようです。
立退き料または強制執行諸費用は依頼者持ちです。
訴訟になった場合は、訴訟費用、弁護士費用は依頼者持ちです。
*日本刀で3人殺傷
58歳男 自宅明け渡し執行中
○日午前○時ごろ、○○の民家で、家屋明け渡しの強制執行に訪れていた○○地裁の執行官から「日本刀を持った男が暴れている」と○○署に通報があった。
執行官と一緒に訪問した不動産会社社員らが、日本刀を持った同所、○○○○容疑者を取り押さえ、同署員に引き渡したが、不動産会社社員○○○○さんが右胸を刺されるなどして間もなく失血死。不動産会社社長と男性社員も胸などにけが。
調べによると、○○容疑者は執行官らが強制執行している最中に帰宅。いきなり日本刀を持ち出して○○さんらに切りつけた疑い。
○○容疑者は住宅ローンの支払いが滞ったことなどから自宅を差し押さえられた。自宅は○月に競売で落札されたが、その後も立ち退きに応じなかった。
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