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不動産の鑑定評価の基本的事項

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不動産の鑑定評価の基本的事項




・不動産の価格の判定の基準日


価格形成の要因は、時の経過により変動するものですから、不動

産の価格はその判定の基準となった日において、その鑑定評価が

妥当であるということで、この日を価格時点といいます。

また、賃料の価格時点は、賃料の算定の期間の収益性を反映する

ものとしてその期間の期首となります。



・不動産の鑑定評価によって求める価格


1.正常価格

正常価格とは、市場性を有する不動産について、現実の社会経済

情勢の下で合理的と考えられる条件を満たす市場で形成されるで

あろう市場価値を表示する適正な価格をいいます。

市場参加者が自由意思に基づいて市場に参加し、参入、退出が自

由であること。売り急ぎ、買い進み等をもたらす特別な動機のな

いこと。対象不動産が相当の期間市場に公開されていること。

要するに特殊な条件がなく通常の市場での価格ということです。



2.限定価格

限定価格とは、市場性を有する不動産について、不動産と取得す

る他の不動産との併合又は不動産の一部を取得する際の分割等に

基づき、正常価格と同一の市場概念の下において形成されるであ

ろう市場価値と乖離することにより、市場が相対的に限定される

場合における取得部分の当該市場限定に基づく市場価値を適正に

表示する価格をいう。

要するに下記のような限定される場合のことです。

(1)借地権者が底地の併合を目的とする売買に関連する場合
   借地権者が底地を買えば完全な所有権となり、通常より
   少々高く買っても採算が合う。
 
(2)隣接不動産の併合を目的とする売買に関連する場合
   隣接地の入手はめったにできないもので、通常価格より
   高くなる。





3.特定価格

特定価格とは、市場性を有する不動産について、法令等による

社会的要請を背景とする評価目的の下で、正常価格の前提とな

る諸条件を満たさない場合における不動産の経済価値を適正に

表示する価格をいう。

特定価格を求める場合を例示すれば、次のとおりである。

(1)資産の流動化に関する法律又は投資信託及び投資法人に
   関する法律に基づく評価目的の下で、投資家に示すため
   の投資採算価値を表す価格を求める場合

(2)民事再生法に基づく評価目的の下で、早期売却を前提と
   した価格を求める場合
  
(3)会社更生法又は民事再生法に基づく評価目的の下で、事
   業の継続を前提とした価格を求める場合


4.特殊価格

特殊価格とは、文化財等の一般的に市場性を有しない不動産に

ついて、その利用現況等を前提とした不動産の経済価値を適正

に表示する価格をいう。

特殊価格を求める場合を例示すれば、文化財の指定を受けた建

造物、宗教建築物又は現況による管理を継続する公共公益施設

の用に供されている不動産について、その保存等に主眼をおい

た鑑定評価を行う場合である。






参考 不動産鑑定評価基準・・・・・目を通すだけ


第5章鑑定評価の基本的事項

不動産の鑑定評価に当たっては、基本的事項として、対象不動産、
価格時点及び価格又は賃料の種類を確定しなければならない。


第1節対象不動産の確定

不動産の鑑定評価を行うに当たっては、まず、鑑定評価の対象とな
る土地又は建物等を物的に確定することのみならず、鑑定評価の対
象となる所有権及び所有権以外の権利を確定する必要がある。
対象不動産の確定は、鑑定評価の対象を明確に他の不動産と区別し、
特定することであり、それは不動産鑑定士等が鑑定評価の依頼目的
及び条件に照応する対象不動産と当該不動産の現実の利用状況とを
照合して確認するという実践行為を経て最終的に確定されるべきもの
である。

T 対象確定条件

対象不動産の確定に当たって必要となる鑑定評価の条件を対象確定
条件という。対象確定条件は、対象不動産(依頼内容に応じて次のよ
うな条件により定められた不動産をいう。)の所在、範囲等の物的事項
及び所有権、賃借権等の対象不動産の権利の態様に関する事項を確
定するために必要な条件である。
1.不動産が土地のみの場合又は土地及び建物等の結合により構成さ
れている場合において、その状態を所与として鑑定評価の対象とするこ
と。
2.不動産が土地及び建物等の結合により構成されている場合において、
その土地のみを建物等が存しない独立のもの(更地)として鑑定評価の
対象とすること(この場合の鑑定評価を独立鑑定評価という。)。
3.不動産が土地及び建物等の結合により構成されている場合において、
その状態を所与として、その不動産の構成部分を鑑定評価の対象とするこ
と(この場合の鑑定評価を部分鑑定評価という。)。
4.不動産の併合又は分割を前提として、併合後又は分割後の不動産を単
独のものとして鑑定評価の対象とすること(この場合の鑑定評価を併合鑑定
評価又は分割鑑定評価という。)

U 地域要因又は個別的要因についての想定上の条件

対象確定条件により確定された対象不動産について、依頼目的に応じ対象
不動産に係る価格形成要因のうち地域要因又は個別的要因について想定
上の条件を付加する場合があるが、この場合には、依頼により付加する想
定上の条件が実現性、合法性、関係当事者及び第三者の利益を害するおそ
れがないか等の観点から妥当なものでなければならない。
一般に、地域要因について想定上の条件を付加することが妥当と認められる
場合は、計画及び諸規制の変更、改廃に権能を持つ公的機関の設定する事
項に主として限られる。

第2節価格時点の確定
価格形成要因は、時の経過により変動するものであるから、不動産の価格は
その判定の基準となった日においてのみ妥当するものである。したがって、不
動産の鑑定評価を行うに当たっては、不動産の価格の判定の基準日を確定す
る必要があり、この日を価格時点という。また、賃料の価格時点は、賃料の算定
の期間の収益性を反映するものとしてその期間の期首となる。
価格時点は、鑑定評価を行った年月日を基準として現在の場合(現在時点)、過
去の場合(過去時点)及び将来の場合(将来時点)に分けられる。

第3節鑑定評価によって求める価格又は賃料の種類の確定
不動産鑑定士等による不動産の鑑定評価は、不動産の適正な価格を求め、その
適正な価格の形成に資するものでなければならない。

T 価格

不動産の鑑定評価によって求める価格は、基本的には正常価格であるが、鑑定
評価の依頼目的及び条件に応じて限定価格、特定価格又は特殊価格を求める
場合があるので、依頼目的及び条件に即して価格の種類を適切に判断し、明確
にすべきである。なお、評価目的に応じ、特定価格として求めなければならない場
合があることに留意しなければならない。

1.正常価格

正常価格とは、市場性を有する不動産について、現実の社会経済情勢の下で合
理的と考えられる条件を満たす市場で形成されるであろう市場価値を表示する適
正な価格をいう。この場合において、現実の社会経済情勢の下で合理的と考えら
れる条件を満たす市場とは、以下の条件を満たす市場をいう。

(1)市場参加者が自由意思に基づいて市場に参加し、参入、退出が自由であるこ
と。なお、ここでいう市場参加者は、自己の利益を最大化するため次のような要件
を満たすとともに、慎重かつ賢明に予測し、行動するものとする。
@ 売り急ぎ、買い進み等をもたらす特別な動機のないこと。
A 対象不動産及び対象不動産が属する市場について取引を成立させるために必
要となる通常の知識や情報を得ていること。
B 取引を成立させるために通常必要と認められる労力、費用を費やしていること。
C 対象不動産の最有効使用を前提とした価値判断を行うこと。
D 買主が通常の資金調達能力を有していること。

(2)取引形態が、市場参加者が制約されたり、売り急ぎ、買い進み等を誘引したりす
るような特別なものではないこと。
(3)対象不動産が相当の期間市場に公開されていること。

2.限定価格

限定価格とは、市場性を有する不動産について、不動産と取得する他の不動産との
併合又は不動産の一部を取得する際の分割等に基づき正常価格と同一の市場概念
の下において形成されるであろう市場価値と乖離することにより、市場が相対的に限
定される場合における取得部分の当該市場限定に基づく市場価値を適正に表示する
価格をいう。
限定価格を求める場合を例示すれば、次のとおりである。
(1)借地権者が底地の併合を目的とする売買に関連する場合
(2)隣接不動産の併合を目的とする売買に関連する場合
(3)経済合理性に反する不動産の分割を前提とする売買に関連する場合

3.特定価格

特定価格とは、市場性を有する不動産について、法令等による社会的要請を背景とす
る評価目的の下で、正常価格の前提となる諸条件を満たさない場合における不動産
の経済価値を適正に表示する価格をいう。特定価格を求める場合を例示すれば、次の
とおりである。
(1)資産の流動化に関する法律又は投資信託及び投資法人に関する法律に基づく評
価目的の下で、投資家に示すための投資採算価値を表す価格を求める場合
(2)民事再生法に基づく評価目的の下で、早期売却を前提とした価格を求める場合
(3)会社更生法又は民事再生法に基づく評価目的の下で、事業の継続を前提とした
価格を求める場合

4.特殊価格

特殊価格とは、文化財等の一般的に市場性を有しない不動産について、その利用現
況等を前提とした不動産の経済価値を適正に表示する価格をいう。
特殊価格を求める場合を例示すれば、文化財の指定を受けた建造物、宗教建築物又
は現況による管理を継続する公共公益施設の用に供されている不動産について、そ
の保存等に主眼をおいた鑑定評価を行う場合である。

U 賃料

不動産の鑑定評価によって求める賃料は、一般的には正常賃料又は継続賃料である
が、鑑定評価の依頼目的及び条件に応じて限定賃料を求めることができる場合がある
ので、依頼目的及び条件に即してこれを適切に判断し、明確にすべきである。

1.正常賃料

正常賃料とは、正常価格と同一の市場概念の下において新たな賃貸借等(賃借権若し
くは地上権又は地役権に基づき、不動産を使用し、又は収益することをいう。)の契約に
おいて成立するであろう経済価値を表示する適正な賃料(新規賃料)をいう。

2.限定賃料

限定賃料とは、限定価格と同一の市場概念の下において新たな賃貸借等の契約におい
て成立するであろう経済価値を適正に表示する賃料(新規賃料)をいう。
限定賃料を求めることができる場合を例示すれば、次のとおりである。
(1)隣接不動産の併合使用を前提とする賃貸借等に関連する場合
(2)経済合理性に反する不動産の分割使用を前提とする賃貸借等に関連する場合

3.継続賃料

継続賃料とは、不動産の賃貸借等の継続に係る特定の当事者間において成立するであ
ろう経済価値を適正に表示する賃料をいう。
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