抵当権6・民法不動産関係基礎知識

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*抵当権(ていとうけん)6(民法)

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*抵当権(ていとうけん)6(民法)


*抵当権設定と建物賃貸借
                 

1 抵当権の設定登記がされる前からその建物を使用している賃借

人は、その後抵当権設定の登記がされ、その建物が競売された場合、

明け渡す必要はありません。

競落人(建物を競売で買った人、買受人)つまり新しい家主が替わ

っただけのことで、そのまま建物を使用し続けることができます。


2 抵当権の設定登記がされた後、賃貸借契約をして、その建物を

使用している賃借人は、その建物が競売された場合、明け渡す必要 

があります。

ただし、その建物の競売買受人の買受けの時から6か月を経過する

までは、その建物を買受人に引き渡さなくてもいいということです。

(民法395)

(例外はあります。民法387条  登記をした賃貸借・・・

賃貸借の登記をしているものはめったにありません。)



*要注意 抵当権の設定登記後の賃貸借


前述のとおり、抵当権の設定登記後の賃貸借です。たいてい家主は

賃貸物件を購入する場合銀行のアパマンローン(アパートマンショ

ンローン)を借りています。当然銀行はその物件に抵当権を設定し

ています。


家主がローン返済不能になれば、抵当権の実行、競売になります。

賃借人は「6ヶ月までに別の賃貸物件を借りればいいや」と考える

でしょう。


民法395条は改正され現行のようになっています。6か月の猶予

はいいんです。しかし敷金返還請求はどうでしょう。

平成16年4月1日以降の新規の賃貸借契約については、敷金の返

還は、元の家主に請求することになっています。

元の家主は、ローン返済不能だから競売されたわけです。元の家主

に請求しても無理でしょう。


「こんなこと知らなかった。仲介の賃貸業者も説明してくれなかっ

た。」と言っても後の祭りです。

もう一度「物件説明書」を見てください。「抵当権設定されていま

す」と書かれているはずです。


「抵当権が実行されたら、6か月以内に建物を明け渡してください。

敷金の返還は新しい家主ではありません。元の家主になります。で

すから、あなたが今預ける敷金が返ってくる可能性はゼロに近いで

す。」

こんな親切な物件説明は99%ないでしょう。法律を知らなかった

あなたが悪かったということになります。(泣)


こんな不合理なことはないですね。現在、賃貸不動産業界も外国資

本が入ってきている関係もあって、敷金はどんどん下がっています。

したがって、万一のときでも被害額は少なくて済みます。詳しいこ

とは知りませんが保険もあるようですね。


まあ世の中、法治国家であれば、法律は知らん、そんなもの知らん

でも世の中生きてゆけるんや、という時代は、悲しいかな終わりま

した。しっかり勉強しましょう。(笑)





(参考)


【抵当権の実行】

債務者が返済不能になり、債権者が、債権回収のため抵当権に基づ

き抵当物件を競売することになります。このことを抵当権の実行と

いいます。



【物権】


・民法で定める物権

所有権、用益物権、担保物権、占有権の4種です。


・民法で定める担保物権

留置権、先取特権、質権、抵当権の4種です。




【民法】



   第十章 抵当権

    第一節 総則

(抵当権の内容)

第三百六十九条  抵当権者は、債務者又は第三者が占有を移転し

ないで債務の担保に供した不動産について、他の債権者に先立っ

て自己の債権の弁済を受ける権利を有する。

2  地上権及び永小作権も、抵当権の目的とすることができる。

この場合においては、この章の規定を準用する。



(抵当権の効力の及ぶ範囲)

第三百七十条  抵当権は、抵当地の上に存する建物を除き、その

目的である不動産(以下「抵当不動産」という。)に付加して一体

となっている物に及ぶ。ただし、設定行為に別段の定めがある場合

及び第四百二十四条の規定により債権者が債務者の行為を取り消す

ことができる場合は、この限りでない。



第三百七十一条  抵当権は、その担保する債権について不履行があ

ったときは、その後に生じた抵当不動産の果実に及ぶ。



(留置権等の規定の準用)

第三百七十二条  第二百九十六条、第三百四条及び第三百五十一

条の規定は、抵当権について準用する。 



    第二節 抵当権の効力

(抵当権の順位)

第三百七十三条  同一の不動産について数個の抵当権が設定され

たときは、その抵当権の順位は、登記の前後による。


(抵当権の順位の変更)

第三百七十四条  抵当権の順位は、各抵当権者の合意によって変

更することができる。ただし、利害関係を有する者があるときは、

その承諾を得なければならない。

2  前項の規定による順位の変更は、その登記をしなければ、そ

の効力を生じない。


(抵当権の被担保債権の範囲)

第三百七十五条  抵当権者は、利息その他の定期金を請求する権

利を有するときは、その満期となった最後の二年分についてのみ、

その抵当権を行使することができる。ただし、それ以前の定期金に

ついても、満期後に特別の登記をしたときは、その登記の時からそ

の抵当権を行使することを妨げない。

2  前項の規定は、抵当権者が債務の不履行によって生じた損害

の賠償を請求する権利を有する場合におけるその最後の二年分につ

いても適用する。ただし、利息その他の定期金と通算して二年分を

超えることができない。


(抵当権の処分)

第三百七十六条  抵当権者は、その抵当権を他の債権の担保とし、

又は同一の債務者に対する他の債権者の利益のためにその抵当権若

しくはその順位を譲渡し、若しくは放棄することができる。

2  前項の場合において、抵当権者が数人のためにその抵当権の

処分をしたときは、その処分の利益を受ける者の権利の順位は、抵

当権の登記にした付記の前後による。


(抵当権の処分の対抗要件)

第三百七十七条  前条の場合には、第四百六十七条の規定に従い、

主たる債務者に抵当権の処分を通知し、又は主たる債務者がこれを

承諾しなければ、これをもって主たる債務者、保証人、抵当権設定

者及びこれらの者の承継人に対抗することができない。

2  主たる債務者が前項の規定により通知を受け、又は承諾をし

たときは、抵当権の処分の利益を受ける者の承諾を得ないでした弁

済は、その受益者に対抗することができない。


(代価弁済)

第三百七十八条  抵当不動産について所有権又は地上権を買い受

けた第三者が、抵当権者の請求に応じてその抵当権者にその代価を

弁済したときは、抵当権は、その第三者のために消滅する。


(抵当権消滅請求)

第三百七十九条  抵当不動産の第三取得者は、第三百八十三条の

定めるところにより、抵当権消滅請求をすることができる。


第三百八十条  主たる債務者、保証人及びこれらの者の承継人は、

抵当権消滅請求をすることができない。


第三百八十一条  抵当不動産の停止条件付第三取得者は、その停

止条件の成否が未定である間は、抵当権消滅請求をすることができ

ない。

(抵当権消滅請求の時期)

第三百八十二条  抵当不動産の第三取得者は、抵当権の実行とし

ての競売による差押えの効力が発生する前に、抵当権消滅請求をし

なければならない。


(抵当権消滅請求の手続)

第三百八十三条  抵当不動産の第三取得者は、抵当権消滅請求を

するときは、登記をした各債権者に対し、次に掲げる書面を送付し

なければならない。

一  取得の原因及び年月日、譲渡人及び取得者の氏名及び住所並

びに抵当不動産の性質、所在及び代価その他取得者の負担を記載し

た書面

二  抵当不動産に関する登記事項証明書(現に効力を有する登記

事項のすべてを証明したものに限る。)

三  債権者が二箇月以内に抵当権を実行して競売の申立てをしな

いときは、抵当不動産の第三取得者が第一号に規定する代価又は特

に指定した金額を債権の順位に従って弁済し又は供託すべき旨を記

載した書面


(債権者のみなし承諾)

第三百八十四条  次に掲げる場合には、前条各号に掲げる書面の

送付を受けた債権者は、抵当不動産の第三取得者が同条第三号に掲

げる書面に記載したところにより提供した同号の代価又は金額を承

諾したものとみなす。

一  その債権者が前条各号に掲げる書面の送付を受けた後二箇月

以内に抵当権を実行して競売の申立てをしないとき。

二  その債権者が前号の申立てを取り下げたとき。

三  第一号の申立てを却下する旨の決定が確定したとき。

四  第一号の申立てに基づく競売の手続を取り消す旨の決定(民

事執行法第百八十八条 において準用する同法第六十三条第三項 若

しくは第六十八条の三第三項 の規定又は同法第百八十三条第一項

第五号 の謄本が提出された場合における同条第二項 の規定による

決定を除く。)が確定したとき。


(競売の申立ての通知)

第三百八十五条  第三百八十三条各号に掲げる書面の送付を受け

た債権者は、前条第一号の申立てをするときは、同号の期間内に、

債務者及び抵当不動産の譲渡人にその旨を通知しなければならない。


(抵当権消滅請求の効果)

第三百八十六条  登記をしたすべての債権者が抵当不動産の第三

取得者の提供した代価又は金額を承諾し、かつ、抵当不動産の第三

取得者がその承諾を得た代価又は金額を払い渡し又は供託したとき

は、抵当権は、消滅する。


(抵当権者の同意の登記がある場合の賃貸借の対抗力)

第三百八十七条  登記をした賃貸借は、その登記前に登記をした

抵当権を有するすべての者が同意をし、かつ、その同意の登記があ

るときは、その同意をした抵当権者に対抗することができる。

2  抵当権者が前項の同意をするには、その抵当権を目的とする

権利を有する者その他抵当権者の同意によって不利益を受けるべき

者の承諾を得なければならない。


(法定地上権)

第三百八十八条  土地及びその上に存する建物が同一の所有者に

属する場合において、その土地又は建物につき抵当権が設定され、

その実行により所有者を異にするに至ったときは、その建物につい

て、地上権が設定されたものとみなす。この場合において、地代は、

当事者の請求により、裁判所が定める。


(抵当地の上の建物の競売)

第三百八十九条  抵当権の設定後に抵当地に建物が築造されたと

きは、抵当権者は、土地とともにその建物を競売することができる。

ただし、その優先権は、土地の代価についてのみ行使することがで

きる。

2  前項の規定は、その建物の所有者が抵当地を占有するについ

て抵当権者に対抗することができる権利を有する場合には、適用し

ない。


(抵当不動産の第三取得者による買受け)

第三百九十条  抵当不動産の第三取得者は、その競売において買

受人となることができる。


(抵当不動産の第三取得者による費用の償還請求)

第三百九十一条  抵当不動産の第三取得者は、抵当不動産につい

て必要費又は有益費を支出したときは、第百九十六条の区別に従い、

抵当不動産の代価から、他の債権者より先にその償還を受けること

ができる。


(共同抵当における代価の配当)

第三百九十二条  債権者が同一の債権の担保として数個の不動産

につき抵当権を有する場合において、同時にその代価を配当すべき

ときは、その各不動産の価額に応じて、その債権の負担を按分する。

2  債権者が同一の債権の担保として数個の不動産につき抵当権

を有する場合において、ある不動産の代価のみを配当すべきときは、

抵当権者は、その代価から債権の全部の弁済を受けることができる。

この場合において、次順位の抵当権者は、その弁済を受ける抵当権

者が前項の規定に従い他の不動産の代価から弁済を受けるべき金額

を限度として、その抵当権者に代位して抵当権を行使することがで

きる。


(共同抵当における代位の付記登記)

第三百九十三条  前条第二項後段の規定により代位によって抵当

権を行使する者は、その抵当権の登記にその代位を付記することが

できる。


(抵当不動産以外の財産からの弁済)

第三百九十四条  抵当権者は、抵当不動産の代価から弁済を受け

ない債権の部分についてのみ、他の財産から弁済を受けることがで

きる。

2  前項の規定は、抵当不動産の代価に先立って他の財産の代価

を配当すべき場合には、適用しない。この場合において、他の各債

権者は、抵当権者に同項の規定による弁済を受けさせるため、抵当

権者に配当すべき金額の供託を請求することができる。


(抵当建物使用者の引渡しの猶予)

第三百九十五条  抵当権者に対抗することができない賃貸借によ

り抵当権の目的である建物の使用又は収益をする者であって次に掲

げるもの(次項において「抵当建物使用者」という。)は、その建

物の競売における買受人の買受けの時から六箇月を経過するまでは、

その建物を買受人に引き渡すことを要しない。

一  競売手続の開始前から使用又は収益をする者

二  強制管理又は担保不動産収益執行の管理人が競売手続の開始

後にした賃貸借により使用又は収益をする者

2  前項の規定は、買受人の買受けの時より後に同項の建物の使

用をしたことの対価について、買受人が抵当建物使用者に対し相当

の期間を定めてその一箇月分以上の支払の催告をし、その相当の期

間内に履行がない場合には、適用しない。



    第三節 抵当権の消滅

(抵当権の消滅時効)

第三百九十六条  抵当権は、債務者及び抵当権設定者に対しては、

その担保する債権と同時でなければ、時効によって消滅しない。


(抵当不動産の時効取得による抵当権の消滅)

第三百九十七条  債務者又は抵当権設定者でない者が抵当不動産

について取得時効に必要な要件を具備する占有をしたときは、抵当

権は、これによって消滅する。


(抵当権の目的である地上権等の放棄)

第三百九十八条  地上権又は永小作権を抵当権の目的とした地上

権者又は永小作人は、その権利を放棄しても、これをもって抵当権

者に対抗することができない。 

   
    以下省略
      民法不動産関係基礎知識 続く
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