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競売ドキュメント・不動産裁判 35 【敷金】の法的解釈、最高裁の判例は? 1

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競売ドキュメント・不動産裁判 35 【敷金】の法的解釈、最高裁の判例は? 1




*災害で家屋が滅失した場合、敷引き特約適用不可


5万円引きとしていた場合、家主は5万円を借主に返還しなければ

ならない。

家賃の不払い等があった場合は敷金から差し引くが、残額全部返還

しなければならない。敷き引き分5万円は家主はもらえない。


裁判要旨は下記のとおりです。


裁判要旨

居住用の家屋の賃貸借における敷金につき、賃貸借契約終了時にそ

のうちの一定金額又は一定割合の金員を返還しない旨のいわゆる敷

引特約がされた場合であっても、災害により家屋が滅失して賃貸借

契約が終了したときは、特段の事情がない限り、右特約を適用する

ことはできない。


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最高裁判例集−民事−全文に「敷金」入力で検索、31件検出、そ

のうち 建物の敷金に関係のあるもの6件ありました。順次掲載し

ていきます。判例検索方法は末尾に記載しております。
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●1


最高裁判例  


事件番号 平成9(オ)1446

事件名     保証金返還

裁判年月日 平成10年09月03日

法廷名     最高裁判所第一小法廷

裁判種別 判決

結果 破棄自判

判例集巻・号・頁 第52巻6号1467頁

原審裁判所名 大阪高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日 平成9年05月07日

判示事項 災害により居住用の賃借家屋が滅失して賃貸借契

        約が終了した場合におけるいわゆる敷引特約の適

        用の可否

裁判要旨 居住用の家屋の賃貸借における敷金につき、賃貸

        借契約終了時にそのうちの一定金額又は一定割合

        の金員を返還しない旨のいわゆる敷引特約がされ

        た場合であっても、災害により家屋が滅失して賃

        貸借契約が終了したときは、特段の事情がない限

        り、右特約を適用することはできない。

参照法条 民法619条2項

全文 全文






主    文

     原判決を破棄する。

     被上告人の控訴を棄却する。

     控訴費用及び上告費用は被上告人の負担とする。
         
理    由

 上告代理人大蔵永康、同児玉優子の上告理由について

 居住用の家屋の賃貸借における敷金につき、賃貸借契約終了時に

そのうちの一定金額又は一定割合の金員(以下)「敷引金」という。)を

返還しない旨のいわゆる敷引特約がされた場合において、災害により

賃借家屋が滅失し、賃貸借契約が終了したときは、特段の事情がない

限り、敷引特約を適用することはできず、賃貸人は賃借人に対し敷引金

を返還すべきものと解するのが相当である。けだし、敷引金は個々の契

約ごとに様々な性質を有するものであるが、いわゆる礼金として合意され

た場合のように当事者間に明確な合意

が存する場合は別として、一般に、賃貸借契約が火災、震災、風水害そ

の他の災害により当事者が予期していない時期に終了した場合につい

てまで敷引金を返還しないとの合意が成立していたと解することはでき

ないから、他に敷引金の不返還を相当とするに足りる特段の事情がない

限り、これを賃借人に返還すべきものであるからである。

 これを本件について見ると、原審の適法に確定した事実関係によれば、

本件賃貸借契約においては、阪神・淡路大震災のような災害によって契

約が終了した場合であっても敷引金を返還しないことが明確に合意されて

いるということはできず、その他敷引金の不返還を相当とするに足りる特段

の事情も認められない。したがって、被上告人は敷引特約を適用することは

できず、上告人は、被上告人に対し、敷引金の返還を求めることができるも

のというべきである。

 そうすると、右と異なる原審の判断には、法令の解釈適用を誤つた違法が

あり、この違法は原判決の結論に影響を及ぼすことが明らかである。論旨は

右の趣旨をいうものとして理由があり、原判決は破棄を免れない。そして、以

上に説示したところによれば、上告人の本訴請求は理由があり、第一審判決

は正当であるから、被上告人の控訴を棄却することとする。

 よって、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。


     最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官    井   嶋   一   友

    裁判官    小   野   幹   雄

    裁判官    遠   藤   光   男

    裁判官    藤   井   正   雄

    裁判官    大   出   峻   郎


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(参考)



*【判示】(はんじ)

判決文などの中で、事実の認定や法の解釈について裁判所の判断を

示すこと。




*【信義則(信義誠実の原則のこと。民法第1条2項)】

一般社会において、共同生活をしていく以上、互いに相手の信頼を

裏切らないように誠意をもって行動すべきであるという原則のこと

です。

ある行為が権利の行使か、権利の乱用かは、信義則によって決めら

れるとになります。



*【抗弁】(こうべん)

民事訴訟で、訴訟当事者の一方が、相手方の申し立てや主張を排

斥するために、別個の事実を主張すること。





【民法】




(基本原則)

第一条  私権は、公共の福祉に適合しなければならない。

2  権利の行使及び義務の履行は、信義に従い誠実に行わなけれ

ばならない。

3  権利の濫用は、これを許さない。




  第三款 賃貸借の終了

(期間の定めのない賃貸借の解約の申入れ)

第六百十七条  当事者が賃貸借の期間を定めなかったときは、各

当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合に

おいては、次の各号に掲げる賃貸借は、解約の申入れの日からそれ

ぞれ当該各号に定める期間を経過することによって終了する。

一  土地の賃貸借 一年

二  建物の賃貸借 三箇月

三  動産及び貸席の賃貸借 一日

2  収穫の季節がある土地の賃貸借については、その季節の後次

の耕作に着手する前に、解約の申入れをしなければならない。




(期間の定めのある賃貸借の解約をする権利の留保)

第六百十八条  当事者が賃貸借の期間を定めた場合であっても、

その一方又は双方がその期間内に解約をする権利を留保したときは

、前条の規定を準用する。




(賃貸借の更新の推定等)

第六百十九条  賃貸借の期間が満了した後賃借人が賃借物の使用

又は収益を継続する場合において、賃貸人がこれを知りながら異議

を述べないときは、従前の賃貸借と同一の条件で更に賃貸借をした

ものと推定する。この場合において、各当事者は、第六百十七条の

規定により解約の申入れをすることができる。

2  従前の賃貸借について当事者が担保を供していたときは、そ

の担保は、期間の満了によって消滅する。ただし、敷金については

、この限りでない。



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●●最高裁判所等の【判例】調査方法●●



最高裁判所等の判例検索方法


1.裁判所ホームページ 

    http://www.courts.go.jp/

    裁判所ホームページをクリック。


2.ホームページ右上「裁判例情報」をクリックする。

「判例検索システム>検索条件指定画面」になる。


3.左側 「統合検索」の下の「最高裁判所判例集」をクリック

「最高裁判例 検索画面」になる。


4.その画面の「特定検索」は事件番号等がわかっているときに使

う。


5.わからないときは「詳細画面」を使う。

「民刑区分」の「民事」の箱にチェックを入れる。


6.そのあと、一番下の「全文」の検索窓を使う。

全文の最初の窓に検索語句「○○○○」を入力。

複合語句の場合は、その下に「and」の文字があるが、その下の

窓に「○○○○」を入力する。つまり両方の語句を含むけんさくで

す。


7.一番下の「検索」をクリックする。

何件か検出される。


8.検索された判例の左側の「最高裁判例」をクリック。

判例の内容が表示される。


9.判例の内容の一番下に「全文  PDF全文」という文字があ

る。「PDF全文」をクリックすると、「主文」「理由」のPDF
 
ファイルをダウンロードできる。


*****************************




(続く)



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